◆ プロフィール



西川 祥子(Nishikawa Sachiko)


編集者だった。編集者で本を作っていた。本が好きで、読めない言語でも文字面が綺麗だと感じる古本を見つけると、時々買っていた。自分が作っていた雑誌が休刊になった。しばらくずっと誰とも会わなかった。喋る事もしなかった。無言で時を過ごし、図書館に通った。それほど興味が無くても、なんとなく目についた本を手当たり次第に読んでいた。その中にカルトナ ージュ(製本技術とその応用)の本があったので、借りて帰った。『自分一人でも本が作れるかもしれない』そう思った。朗読CDも一緒に借りた。毎日朗読CDを聞きながらカルトナージュの本を手本に作り続けた。耳からは言葉が入り込んできて、手元では本のハードカヴァーの手法を、時々失敗しながら、何時間もかけて学習している。その中で自分は本当に、本が好きなのだろうかと疑問を持ち始めた。本は好きだけど、本に教えられた事も沢山在るけれど、本と関わる事で痛い思いもした。本の裏側を知り過ぎた。好きであればあるほど、痛い思いもする 。時々嫌いにもなる。だけど、どうしてか本からあっさりと立 ち去ることが出来ない。本屋や、図書館で並んでいる本の背表紙は、思想や、ストーリーの墓標にも見えてくる。本が出来上がった時には、本に関わった人間はもう既に、次の事に手を付 けはじめている。本人にはもう、完結してしまった思想であり 、ストーリーなのだ。好きということは裏を返せば嫌いということでもある。表裏一体だ。私に何も教えてくれない、ただなんとなく印象がいいだけの読めない頁をちぎって燃やした。燃やしながら絵を描きはじめた。描きながら感じるのは火のパワー。日常で例えれば料理。一度終らせた上で、別の何かに変換していく。そんな変換力を感じる。私が扱うのはほんの小さな火。じわじわと本を焼いていく。時には燃え上がって灰になる 。だけど、どんな小さな火にも、新しい息吹を吹き込む力を持っている。これを体感することが、楽しく、製作の喜びと原動力になっている。


2009年12月グループ展参加
2010年5月 Yasda art linkにて個展
2010年6月川口そごう展示
2010年7月L’atelierにて個展
2010年9月galerie Hにて展示
2010年9月銀座三越にて展示
2010年の手帳の表紙に起用された
虎猫の絵柄の手帳はオン・サンデーズにおいて
過去に例をみない売り上げの速さで完売した。


2009,12 Group exhibition participation
2010,5 Private Exhibition at Yasda art link
2010,6 SOGO Kawaguti exhibition
2010,7 Private Exhibition at L’atelier
2010,9 Group exhibition at galerie H
2010,9 exhibition at GINZA MITUKOSHI

For the year of 2010,
It is appointed as the cover of the notebook.
The cat pattern notebook sold out
making it the Fastest sold out record
in"ON SUNDAYS".


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